私が薬学生のときに、「薬草学の教授から、艸(くさ)で人を樂(らく)にするのが薬です。つまり、体調を崩したときに、本来自身が持っている治癒力を高めて回復を助ける役目の物です。正しく使えば健康を守ってくれますが、使い方を間違えば害になる可能性があります」と教えられました。健康寿命の意識が高まり、健康情報があふれていますが、薬の作用は全ての人に等しくあてはまるものではありません。医療機関で処方される薬だけでなく、市販薬、健康食品、サプリメントなどにも個々の状態に応じて相談にのれる薬剤師でありたいと思っています。

また、介護保険制度が導入される前から在宅訪問をしてきましが、なかなか薬剤師が患家宅訪問するのはハードルが高いものでした。新しく導入された介護保険制度を理解するために介護支援専門員の資格も取りました。それから約20年たって訪問薬剤管理指導が認識されてきて、医師からの依頼だけでなく、患者さんの家族やケアマネジャーからも声をかけていただくようになりました。

今では、老老介護や軽度認知症の方の一人暮らしが増えたので、一包化や日付記入・カレンダーを作ってわかりやすくするのはもちろんですが、服用回数を減らす、ポリファーマシーにならないように医師に提案するなど努力はしています。しかし、本当に毎日服用できているか確認がむずかしく、他の業種の方々に協力してもらっています。

高齢化社会では医療・福祉・行政の連携が不可欠です。薬機法改正により今年8月1日より地域連携薬局が創設されます。これは、薬剤師も介護の方々と十分情報共有して、患者さんが望む在宅生活に助力しなさいということだと思っています。

Photo by ぱくたそ(www.pakutaso.com)