特別養護老人ホームのショートステイを継続利用しながら長期入所の順番を待っていた利用者様とご家族から「ケアマネさんとの縁を今は切りたくない」という理由で入所を断られたことがあります。
長期入所になった段階で居宅のケアマネジャーとの関係が終了することを知らない利用者様やご家族は多く、入所前の面接や入所時カンファレンスでそのことをお伝えすると、「娘、息子のように思っている」、「親戚よりも頼りにしている」等と話され、長期入所をためらう一瞬の反応を見ることがあります。可能な限り自宅で住み続けたい、住み慣れた我が家で一日でも長く暮らしたいという利用者様の願いを実現するためにライフスタイルに合わせた適切なサポートを行ってきたケアマネジャーへの信頼の証明と自分のことのように誇らしく思う瞬間です。
また、施設職員の立場で「施設に入りたいと思う人はいない」と聞いて大きく傷ついた経験もあります。だからこそ、自宅で生活することが困難になって特別養護老人ホームへ生活の場を移す利用者様に対して、施設ケアマネジャー・生活相談員として居宅のケアマネジャーや関係機関と連携し、施設の多職種と協働で支援を考え、笑顔になれる施設サービスを提供していきたいと思っています。
多くの高齢者施設が新型コロナウイルス感染拡大予防のためにご家族との面会や外出の制限を始めて約1年が経過しました。利用者様は不自由でたいへん寂しい思いを強いられています。当施設でも4月中旬から始まるワクチン接種に向けて準備を進めていますが、withコロナの生活はまだまだ終わりが見えない状況です。介護を必要とする高齢者の生活の場所は自宅であっても施設であっても変わらない、自分らしく尊厳のある暮らしを支えるために多くのケアマネジャーが自己研鑚を続けています。その意志と努力が利用者様やご家族の信頼に繫がっているものと確信し、香川県介護支援専門員協議会の活動に私も参加していきたいと思っています。
『場所が変わっても変わらない支援』
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