現在の日本では、地震や風水害により大被害を受け、尊い生命が失われてしまったり、生活を一変されてしまう程の状態に追い込まれてしまう災害が後を絶ちません。
そのような災害がいつ・どこで・誰の身に怒るかも知れません。
現在、私たち介護支援専門員にも「BCPの作成」や「個別避難計画の作成」が求められています。また、施設従事を兼務されている方(併設事業所として勤務されている方)におかれましては、消防法による「避難計画」や水防法による「避難確保計画」も求められており、混同してしまいがちな状況です。
一度、整理しておきたいと思います。
【個別避難計画とは・・・】
災害対策基本法に位置付けられ、高齢者や障がい者等の自ら避難することが困難な避難行動要支援者ごとに作成する避難支援のための計画です。
作成(努力)義務は、市町村が福祉専門職など関係者と連携して計画を作成することとなっています。もちろん、「福祉専門職など関係者」の中に居宅介護支援事業者は位置づけられています。
ご担当いただいている要介護・要支援等の高齢者の生命並びに生活維持のため、利用者の個別避難計画の作成を市町村と協力しつつ、作成されていくことをお願い申し上げます。
【BCPとは・・・】
企業(法人等)が、自然災害・大火災・テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合でも、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、事業の継続あるいは早期復旧を可能にするための計画のことです。日本語名では、「事業継続計画」と言います。地震や風水害等の大被害時の中でも、地域住民に事業を提供し続けることが出来るようにするための計画です。(居宅介護支援事業所の場合は、ケアマネジメントを提供し続けることを可能にする計画が求められています)
現在、各事業所において、自然災害と感染症のBCP(事業継続計画)が義務付けられています。
=注意点=
上記に述べたとおり、両者は別物です。
『BCPを作成しているから、個別避難計画は立てなくても大丈夫。』は、誤認です。
逆に…
『BCPの中に個別避難計画内容を入れなければならない。』も誤認です。
それぞれに視点が違うことを理解してください。
「個別避難計画」は、利用者個人の視点で計画立案します。
「BCP」は、事業所の視点で計画立案します。
その違いを理解した上で、計画立案を進めてください。よろしくお願いいたします。
【その他】
消防法による「避難計画」・・・火災発生時に施設の利用者を安全に避難させるための計画
水防法による「避難確保計画」・・・津波、河川氾濫、土砂崩れ等の想定区域内に立地している施設に義務付けられた施設の利用者を安全に避難させるための計画
作成が遅れている「個別避難計画」の作成が、皆様のご協力により進捗し、災害発生時において、香川県内の高齢者の生命と生活が確保されていくことを心より祈念いたします。ご協力の程、よろしくお願いいたします。