コロナ禍で、むし歯と歯周病が急激に増加しました。原因はマスク生活です。
 口を覆う生活は口輪筋の機能低下にまで及んでいます。口腔の機能低下は、ほうれい線が目立つようになり口角が下がり、口腔の老化を進める結果になりました。口元が見えない生活にすっかり慣れてしまったため、口への意識が薄まっているためです。

 歯科医院の定期健診でもコロナ前に、10年間異常がなかった患者さんも、多くのむし歯や歯周病による歯茎の腫れを訴えて来院することがまれではありません。マスクの着用や人と会うことが激減して、話すという口の機能の著しい低下により、唾液の分泌が減少したことで、歯や歯肉の悪化が進んだと考えられています。また、マスク着用による息苦しさで口呼吸が多くなったことによる口の乾燥も悪化を助長しています。

 唾液にはむし歯を予防する抗菌作用や、唾液を飲み込むことで食べかすや細菌を洗い流す自浄作用が知られています。早くコロナ前の口元に戻したいものです。

(画像:獅子の里三木町の大獅子)