皆様は、なぜ通所介護を利用していますか ――

 リハビリ目的?入浴目的?認知症の利用者さんには、単調な生活を送るより週間でリズムのある生活をする方が認知症予防と医師からも言われているから?通所介護が地域のコミュニティの代役として参加し、その集団での役割の再構築のため?在宅での生活継続のために家族・本人のレスパイトを考えたから?それ以上に在宅の生活継続困難でセフティーネットの要素があるから?

 今、例を挙げただけでも、通所介護の利用目的は、多岐に渡る生活課題から考えられています。

 『家族』の弱体化と言われ、『家族』というシステムがどんどん小さくなり、弱体化している昨今ですが、基盤となるのは、やはり在宅となる『家』です。

 利用者さんの現状=【事実】があり、その【事実】に対して、利用者さん自身、ご家族、通所介護、ケアマネジャー4者4通りの【真実】が存在します。【事実】に基づいて、議論すれば利用者さんからは拒否され、利用者さんの【真実】を追求すれば、生活の継続性は損なわれる場合がある…。サービス担当者会議でクリアしない課題でも、基盤となるのが『家』であるなら、全ての介護サービス事業所が『家』で、笑顔の利用者さんをイメージ出来るよう寄り添うことが、望ましいのではないかと常に考えています。

 尚、令和3年度介護報酬改定における通所介護の入浴介助加算(Ⅱ)の取り扱いが、現在、議論されています。『家』での入浴動作獲得に向けて、通所介護の在り方が問われる加算かと思います。つまり、介護報酬からも『家』の「生活」があり、その「生活」を改善する為に介護サービスがあると改めて提案しているのではないでしょうか。