コロナウイルスに翻弄されて2度目の夏ですが、インフルエンザと違って季節は関係なく猛威をふるっています。ワクチン接種が進んでも落ち着く気配はなく、誰もが気にしている「いつになったら元の生活になるのか?」なんて全くわかりません。わかっているのは、まだしばらくは今の状況が続くというところでしょうか。

 Stay Homeや三蜜を避けるために…と、いろいろと制限が課せられ、活動量は明らかに低下しています。体を動かさないといけないと頭で分かっていても、いざ運動・体操となると、機材のある環境や仲間のいる雰囲気により「頑張ろう!」と思えることも多く、ついつい施設での機能訓練に頼ってしまったために、自宅で何をしたら良いのか分からないケースが多々あります。実際、「お家でこんな体操してくださいね!」とパンフレットなどを渡しても実行してくれる方は本当に一部の方だけで、やはり家はくつろぎのスペースなのでなかなか体操には至らないようです。

 リハビリテーション職種団体(理学療法士協会、作業療法士協会、言語聴覚士協会)も、コロナウイルスにより外出を制限され機能低下を来してしまった経験から、見かた考え方が変わってきたように思います。まだ実務経験としては少ない訪問リハ分野のセラピストですが、在宅生活でのサポートに興味のあるセラピストも増えてきている印象があります。そして『訪問リハビリテーション強化』として訪問リハビリのスタッフの増員のための研修制度の動きが香川県では穴吹学園で始まっています。

 訪問リハビリテーションで個々の環境にあわせて、自宅でもできる体操や運動量維持のための生活活動を指導してもらうことに加え、介護者へのアドバイスも行うことで、在宅生活を支える仕組みの充実をはかろうとしています。施設のスタッフも、訪問リハの事業所とタッグを組み、お互いの良いところを活かしながら在宅生活を支える仕組みづくりができれば良いなと考えます。

 整った環境でなくても運動できることを知ることは、最近多い災害などの際にも役に立つと思います。プランニングの際に、訪問リハの紹介もしていただけたらと思います。