例年、県庁で開催されている「介護給付費適正化帳票活用等研修会」において、「住宅改修及び福祉用具の点検について」というテーマで講師を務めさせてもらっています。この研修会は、保険者の介護給付適正化事業を支援するために、県が各市町介護保険担当職員等を対象に、香川県国民健康保険団体連合会(国保連)と連携して実施しているものです。持続可能な介護保険制度の構築に資するために、適切な介護サービスの確保とその結果としての費用の効率化を図る事が今、重要とされています。

 そこで私は、介護給付適正化主要5事業の1つである「住宅改修・福祉用具の点検」について、実務における課題への対応方法やケアプランチェックをより効果的・効率的に行えるようにするためのポイントを講義させてもらっています。

 要介護・要支援者の居住環境を改善する際に、対象となる方の「役割」の遂行を確認するということが、私はとても重要と考えています。社会的な役割を得ることで、生きがいを感じ、充実した生活が送れると思います。そこで住宅改修においても、社会的な役割や社会的な活動につなげる改修にしていく視点が大切になります。

 福祉用具に関しては、希望の詰まった夢の道具と言うこともできます。要介護・要支援者は、それまで当たり前にできていた生活が送れなくなり、できることが減っていってしまいます。それを助けてくれるのが福祉用具であり、動きにくい手足の代わりになって活躍してくれます。

 全ての人々が住み慣れたところで、いきいきとした生活が送れるように、住宅改修や福祉用具の利用について適切に支援をし、その人らしい自立した生活を送ることができるよう寄り添っていくのが、介護支援専門員や作業療法士等の役割だと思います。